uminoschole

2023/10/05 00:00

106日(金)より開催の「石徹白洋品店POP UP ~受け継ぎ、創造する石徹白の民衣 店~」に向け、湖のスコーレスタッフ遠藤が全4回に渡り、岐阜県石徹白(いとしろ)の魅力を伝えるblog3のテーマは石徹白の「衣・食・住」。石徹白という土地を通し、また別視点から石徹白洋品店の魅力を皆さんにお伝えできればと思います!


 【衣】

石徹白には、集落に伝わる「民衣(みんい)」があります。

「たつけ」、「はかま」、「かるさん」、「越前シャツ」など数種類におよび、いずれも直線裁ち・直線縫いの和裁の技術で作られています。

石徹白洋品店が手がける衣服のルーツとなっているのもこの石徹白の「民衣」です。

 

なかでも代表的な「たつけ」。東北では「たっつけ」と呼ばれていたりと、日本各地で見られるパンツですが、地域によって少しずつかたちが違うそうです。


石徹白の「たつけ」は、お尻の部分がゆったりとしていて、足にかけて細身になっているデザイン。

実際に石徹白洋品店の「たつけ」を履いてみると、履き心地の良さにまず驚きます。特に「立って、しゃがんで」の動きを繰り返すと、つっぱる感じがなく、すごく楽ちん。元々、農作業時に履かれていたパンツだとのことで、それも納得の動きやすさです。

 

石徹白洋品店本店に飾られている石徹白の昔の写真を見ていると、写っている皆さんがとてもおしゃれなことに気がつきます。

なかでも私が印象に残っているのは、女性のグループが写った写真。「たつけ」に美しい柄が入った着物。髪もふんわりとパーマがかかっているようにみえ、お化粧もばっちりです。

 

そんな石徹白の人々の様子を、「石徹白は白山への参拝者であったりと、昔から人の行き来が多く、集落外の人に見られる機会が多かったからではないか。」と語る石徹白洋品店 店主 の平野 馨生里さん。

 

今回、石徹白を訪問し、馨生里さんにお話をうかがうなかで1番印象的だったこと。それは、「今後、石徹白洋品店の衣服のデザインは変わっていく可能性がある」ということでした。


元々は、昔の「民衣」そのままのかたちで商品として展開していた石徹白洋品店。お客様から「ウエストをゴムにして欲しい。」、「もっと大きいサイズのものが欲しい。」などという要望があり、その時々に合わせて少しずつデザインが変化していったといいます。

 

あくまでも民衣の「型」を追求し、現代の暮らしに取り入れられるよう工夫されている石徹白洋品店の衣服。

その取り組みの様子は、文化や伝統が廃れず、しかし、無理なく継続されていくひとつの理想的なかたちのようにも感じました。

 

【食】

石徹白は集落内にスーパーはなく、基本的には山を下りて買い物に出かけたり、食品配送サービスを利用されるそうですが、農業を営まれているご家庭も多く、お米やトマト、とうもろこしなど様々な穀物・野菜が収穫されます。

また、石徹白の気候を生かした独特な「漬物文化」も根付いています。

 

●「石徹白かぶら」の漬物

石徹白訪問2日目に馨生里さんにご案内いただいた「御神明社(おしんみょうしゃ)跡」。

こちらは元々、お社があった場所で、昔からこんこんと湧き水が湧いています。

そのまま飲むこともできるほどの澄んだ水。口に含むとまろやかで少し甘みも感じられるような気がしました。


秋になると石徹白で育つ「石徹白かぶら」という野菜の漬物を漬ける行事が行なわれるそうで、その際に「かぶら」を洗うために使用されるのもこの湧き水。赤くて鮮やかな色合いの「石徹白かぶら」。おいしく見た目も美しい漬物になりそうです。

 

●肉の漬物

寒さ厳しい豪雪地帯の石徹白。そんな石徹白の冬には「肉の漬物」が存在します。


白菜と一緒に生肉を漬け込んでつくるという「肉の漬物」。はじめてお話をうかがったときは、全く想像がつかず、かなりの衝撃でした、

フライパンやホットプレートで焼いてから食べるそうですが、焼いても肉が赤色から変化しないのも特徴的。レシピは門外不出のため、石徹白で、かつ冬にしか口にすることが出来ません。


とてもおいしいとのことで集落の皆さんが毎年、大変楽しみにされている冬の風物詩。知る人ぞ知る、他の地域には見られない珍しい発酵食文化です。


【住】

現代において人々が生活を営んでいくうえでかかせない「電気」。石徹白は「水力発電」でも全国的に注目されている地域です。


馨生里さんのご主人、平野 彰秀さんを中心に集落ほぼ全戸出資によって設立された「水力発電所」。その様子は、ドキュメンタリー映画「おだやかな革命~これからの暮らしを巡る物語~」にも取り上げられました。


「水力発電」は、水の流れや高低差を利用し、電気を生み出す方法です。石徹白には、らせん型のもの2機、水車型のもの1機の計3機の発電所が稼働しています。


水力発電は、発電時に二酸化炭素が排出されず、非常にクリーンなエネルギー。また、水が豊かな石徹白ならではの取り組みだといえます。


blog №4は以下よりお読みいただけます

石徹白洋品店POP UP-受け継ぎ、創造する石徹白の民衣 店-関連blog №4 | uminoschole (umi-no-schole.jp)


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石徹白洋品店POP UP

-受け継ぎ、創造する石徹白の民衣 店-

開催期間:2023106日(金)〜15日(日)

※毎週火曜日は定休日です。

開催場所:湖のスコーレshop

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